Claudeには、速度と扱いやすさのバランスが良いSonnet系と、より重めの思考や実装に向いたOpus系があります。
ただ、モデルの違いは、短い文章だけを作らせても見えにくいです。
そこで今回は、家庭の備蓄を管理する「防災備蓄管理アプリ」を作らせて比較しました。
比較したのは、Claude Desktopで使えるSonnet 5とOpus 4.8です。どちらもeffortはHighにし、同じ条件で新規タスクとして実行しました。
最初に同じ実装プロンプトでアプリを作らせ、その後、同じ改善指示を出しています。
見るポイントは、単にHTMLが出力できたかではありません。
- 実際に使えるUIになっているか
- 水・食料・簡易トイレの必要量を計算できるか
- 買い足しリストが実用的か
- 入力ミスを防げるか
- スマホでも崩れないか
- 改善指示でどこまで完成度が上がるか
このあたりを見ました。
検証条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実行環境 | Claude Desktop |
| 契約 | Claude Max |
| 比較モデル | Sonnet 5 / Opus 4.8 |
| effort | どちらもHigh |
| タスク | 防災備蓄管理アプリの実装 |
| 形式 | 単一HTMLファイル |
| 保存 | localStorage |
| 実表示確認 | 実ブラウザで表示確認 |
今回は、毎回新規タスクで実行しました。
同じ会話の続きを使うと、前の文脈が影響してしまう可能性があります。比較としては、新規タスクで同じ条件にそろえたほうが見やすいと判断しました。
作らせたアプリの内容
作成したのは、家庭の防災備蓄を管理するアプリです。
主な要件は次の通りです。
- 備蓄品の追加・編集・削除
- カテゴリ管理
- 期限切れ、期限間近の表示
- 家族人数と備蓄日数から必要量を計算
- 水、食料、簡易トイレの不足を表示
- 買い足しリストを表示
- CSV出力
- localStorage保存
- スマホ対応
防災備蓄管理アプリは、モデルの実装力を見る題材としてちょうど良いです。
水は「2Lボトルを6本」のように入力したくなりますし、食料は「何食分あるか」、簡易トイレは「何回分あるか」を見たいです。単なるTODOアプリよりも、少し実装力が見えやすい題材です。
初回生成の時点では大差なし
初回生成では、Sonnet 5もOpus 4.8も、どちらも普通に動くアプリを作れました。
ざっくり見ると、初回版ではOpus 4.8が少しだけ見やすく、Sonnet 5も十分実用的という印象でした。


なお、ここでの点数は自動ベンチマークではなく、今回の検証用に置いた主観評価です。見た観点は、指示の反映、UIの見やすさ、スマホ表示、保存やCSV出力など既存機能の維持、入力バリデーション、コードの崩れにくさです。小数点の差そのものより、どこで差が出たかを見るための目安として扱っています。
| 観点 | Sonnet 5 | Opus 4.8 |
|---|---|---|
| 初回生成の総合評価 | 4.1 / 5 | 4.2 / 5 |
この時点では、差はかなり小さいです。
ただ、初回生成だけでは実用品としてはまだ弱い部分がありました。
特に、水の入力、必要量の計算、買い足しリスト、入力エラーの出し方は、追加で改善したいところです。
同じ改善指示を出した
次に、両方の初回版に対して、同じ改善指示を出しました。
改善指示では、次のような点を求めています。
- 水は「容量 × 本数」で入力できるようにする
- 食料は「何食分」、簡易トイレは「何回分」として必要量を計算する
- 不足、期限切れ、期限間近、未登録カテゴリを買い足しリストに出す
- 入力バリデーションを強化する
- 既存の追加・編集・削除・検索・CSV出力を壊さない
- スマホ表示を崩さない
ここから差が少し見えてきました。
Sonnet 5改善版

Sonnet 5の改善版は、かなり堅実です。
水、食料、簡易トイレの不足がはっきり出ます。たとえばサンプル投入後は、水が12L不足、食料が14食不足、簡易トイレが40回分不足という形で表示されました。
買い足しリストも、何が足りないのかがわかりやすいです。
さらに、期限切れの交換候補、期限が近い品目、未登録カテゴリも拾えています。
特に良かったのは、水の入力です。

「容量 × 本数で入力」と「数量を直接入力」を切り替えられるため、初心者にもわかりやすいです。
たとえば「2Lボトルを6本」と入力すれば、12Lとして扱えます。防災備蓄アプリとしては、この入力方式はかなり自然です。
一方で、画面全体は少し業務アプリ寄りです。情報は正確に出ていますが、ぱっと見たときの完成品感はOpus 4.8のほうが少し上でした。
Opus 4.8改善版

Opus 4.8の改善版は、全体のまとまりが良いです。
ダッシュボードのカード構成が見やすく、登録品数、期限切れ、期限30日以内、充足カテゴリが自然に整理されています。
水・食料・トイレについても、必要量、現在量、不足量がカードで表示されます。
買い足し・入れ替えリストも、行動につながりやすい文章になっています。
たとえば、期限切れの品目に対して「新しいものと交換を」と表示されるため、単に警告するだけでなく、次に何をすればよいかが伝わります。

フォームも整っています。
品名、カテゴリ、保管場所、数量、単位、換算値が整理されており、見た目としてはかなり完成品に近いです。
ただし、水の入力に関しては、Sonnet 5のほうがわかりやすいと感じました。
Opus 4.8は「1単位あたりの水量」という説明になっており、機能としては問題ありません。ただ、初心者にはSonnet 5の「容量 × 本数」のほうが直感的です。
実表示チェック
Claudeの回答だけではなく、実際にHTMLをChromeで開いて確認しました。
なお、サンプルデータや初期設定はアプリごとに異なるため、不足量などの数値は両者の直接比較ではなく、各アプリ単体の挙動例として見ています。
| 項目 | Sonnet 5 | Opus 4.8 |
|---|---|---|
| コンソールエラー | なし | なし |
| ページエラー | なし | なし |
| サンプル投入 | 正常 | 正常 |
| 空保存時のエラー表示 | あり | あり |
| スマホ幅390px | 横はみ出しなし | 横はみ出しなし |
空保存時のエラーも確認しました。
Sonnet 5では、「品名を入力してください」「0より大きい数値を入力してください」「1以上の整数を入力してください」といったエラーが出ました。
Opus 4.8でも、「品名を入力してください」「数量を数値で入力してください」「単位を入力してください」といったエラーが出ています。
このあたりは、どちらも実用品としてかなり良いです。
スマホ表示


スマホ幅390pxでも、どちらも横スクロールは出ませんでした。
ただ、見た目の整理はOpus 4.8のほうが少し自然です。Sonnet 5は縦にきれいに並びますが、やや表っぽさが残ります。
比較結果
下の点数も同じく、今回の1タスクに対する主観評価です。厳密な性能ベンチマークではなく、同じ改善指示を出したあとに「実用品としてどちらが整っていたか」を見るためのメモとして読んでください。
| 観点 | Sonnet 5 | Opus 4.8 | コメント |
|---|---|---|---|
| 改善指示の理解 | 4.6 | 4.8 | Opusは完成品として再整理する力が強い |
| 既存機能の維持 | 4.5 | 4.6 | 両方とも大きな破綻なし |
| 水の入力改善 | 4.7 | 4.4 | Sonnetの「容量×本数」がわかりやすい |
| 食料・トイレ必要量 | 4.4 | 4.7 | Opusはカード表示が見やすい |
| 買い足しリスト | 4.6 | 4.7 | Opusは文章が自然 |
| 入力バリデーション | 4.5 | 4.5 | どちらも問題なし |
| UI/スマホ | 4.2 | 4.7 | Opusは完成品感が高い |
| コード品質 | 4.4 | 4.5 | どちらも単一HTMLとして安定 |
| 総合(主観評価) | 4.55 | 4.65 | 僅差でOpus 4.8 |
今回の改善指示では、Opus 4.8が僅差で上です。
スコアは主観評価かつ各1回の検証なので、点差そのものより、どこで差が出たかを見るための目安として扱っています。
理由は、アプリ全体を「使う画面」として整理する力が強かったためです。
ダッシュボード、買い足しリスト、フォームのまとまりは、Opus 4.8のほうが自然でした。
ただし、Sonnet 5も十分実用的です。
特に、水の入力UIはSonnet 5のほうが初心者向けでした。
どちらを使うべきか
今回の結果だけで見るなら、次のような使い分けが良さそうです。
今回の比較は、防災備蓄管理アプリを1ファイルHTMLとして実装し、同じ改善指示を出したときの所見です。文章作成や要約、長文整理など別のタスクでは傾向が変わる可能性があります。
Sonnet 5が向いている場面:
- まず動くものを作りたい
- 実装のたたき台を速く作りたい
- 指示に対して素直に反映してほしい
- コストや使用量を抑えながら進めたい
Opus 4.8が向いている場面:
- 仕上げの品質を上げたい
- UIのまとまりを重視したい
- 改善指示で完成度を上げたい
- 実用品として見せる段階まで持っていきたい
個人的には、最初からOpus 4.8を常用するというより、Sonnet 5で初回実装や大まかな修正を進め、最後の見せ方や完成度の調整でOpus 4.8を使うのが現実的だと感じました。
まとめ
防災備蓄管理アプリを題材に、Claude Sonnet 5とOpus 4.8を比較しました。
初回生成の時点では、差はかなり小さいです。
しかし、同じ改善指示を出して実用品に近づける段階では、Opus 4.8のほうが少し強さを見せました。
特に、ダッシュボード、買い足しリスト、フォームのまとまりはOpus 4.8が良かったです。
一方で、Sonnet 5も十分に実用的で、水の入力UIなど一部はSonnet 5のほうが親切でした。
結論としては、Sonnet 5で十分作れる。ただ、最後の仕上げまで含めるとOpus 4.8に投げたくなる場面がある、という結果です。



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